東京高等裁判所 昭和37年(ツ)79号 判決
民事訴訟法第三五六条の和解は、当事者間に争のある権利関係についてなすを本則とするものであることは、上告人主張のとおりであり、本件当事者間では和解申立前に和解の内容について合意をなしていたことは、原審の適法に確定しているところである。このような場合においても、原審の認定判断しているように、当事者間の権利関係を明確にし、権利の実行を確実になす必要上、起訴前の和解契約をなすことは、将来当事者間に起るかも知れない紛争を予め防ぐためになすものであると解するを相当とし、それについて当事者間において異議のない以上、起訴前の和解として有効であると解すべきであつて、上告人主張のようにこのような場合には公正証書によらなければならぬものではない。
(村松 伊藤 杉山)